冷蔵庫の野菜室は雑菌だらけ

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よく耳にする「○○はトイレの何倍の細菌数がいる」という表現。

パソコンのキーボードやスマートフォン、シンクの蛇口、スポンジ、ドアノブなどが挙げられます。

確かに「細菌の数」で言えば、トイレよりも多いのかも知れませんが、必ずしも、「多数の細菌の数=有害」とはなりません。

 

野菜室は雑菌まみれ!その原因は「土」

今回、花王さんが細菌の実態調査を発表し、冷蔵庫の野菜室が非常に細菌まみれだと明らかになりました。

原因としては、野菜に付着している「土」にあると考えられているようです。

土には元々いろんな細菌がついておりますので、それをそのまま冷蔵庫の野菜室に入れれば庫内が細菌でいっぱいになるのは当然の結果に思えます。

細菌が気になる場合は、定期的な清掃が必要ですが、水拭きではなく、除菌スプレーや除菌シートなどで掃除する必要があります。

もしくは、野菜を個別にビニール袋などに入れ、野菜が直接野菜室の壁に付かないようにするのも良いかも知れません。

しかもこの方法は野菜の呼吸を抑え、劣化を遅くすることもできるので一石二鳥となります。

細菌の数が多いから有害とは限らない

先に「細菌の数=有害」とはならない、と書きました。繰り返しになりますが、全ての細菌が人体にとって有害とはなりません。

食品の衛生検査でも、決められた基準値までは検出されても大丈夫な一般細菌と、一つも検出されてはいけない大腸菌群に分かれます。

恐らく、この手の記事の細菌数はこの一般細菌も大腸菌群も一緒くたにしていると思われます。

一般細菌と大腸菌群は別モノ

比較の対象としてトイレの便器や便座がよく挙がります。
「パソコンのキーボードはトイレの便座の10倍の細菌数」
と表現されると、なんだかキーボードがとても汚いものに思えますよね。

しかし問題は、中身です。つまり細菌の数ではなく、「どんな細菌がいるのか」が重要です。

 

キーボードとトイレの比較を例に取ります。

キーボードの使用環境にもよりますが、結論から言えば、トイレの方が圧倒的に健康被害が生じる有害な菌は多くいます。

いわゆる大腸菌といった類です。対してキーボードなどにはそれほど有害な菌はいません。

その理由は、菌は増殖するのに水と栄養を必要とするからです。人間や動物と同じですね。

 

キーボード上では、一時的に手汗で湿ることはあるかも知れませんが、触っていなければ乾燥していきます。

水分が多いシンクやキッチン周り、スポンジ等に多くの雑菌がいるのはこういった理由ですね。とても繁殖しやすい環境なわけです。

食べ物に触れた手で触らない&手を洗う

しかし、食べ物を直接触り食べながらの操作や、トイレに行って手の洗浄が不十分なままの操作で、キーボードにも大腸菌類が付着することはあるので注意が必要です。

自分のパソコンなら常に清潔にするよう心掛け、共用のパソコンに触れた後は手を洗いましょう。

テーブルも細菌数が多いことで知られていますが、布巾で水拭きすることが菌の増殖に一役買っています。

水拭きせずにアルコール除菌をすると菌の発生を抑制することができます。

 

野菜室の細菌は有害

問題の野菜室ですが、残念ながら病原菌を含む細菌がいる可能性は高いようです。

筆者の感覚では、玉ねぎとジャガイモは一般的なスーパーで売られているものの中では、土が付いていることが多いと感じています。

この手の野菜は、冷蔵庫に入れる場合は、ビニール袋に入れておいた方が良さそうですね。

著者紹介

月宮エナ

月宮エナ

書店員、飲食店経営を経てブロガーに転身 生活に役立つ知識や方法、雑学といったものを人に説明することが好きなブロガー

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