「生食用の牡蠣」と「加熱調理用の牡蠣」の違い

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スーパーの鮮魚コーナーなどに行くと「牡蠣」が売られていますが、「生食用」「加熱調理用」の2種類が置かれています。

なぜこの2種類に分かれているのでしょうか?単純に鮮度が違うとかなのでしょうか?

生食用と加熱調理用の違い

結論から言いますと、
海の沖の方で養殖されているのが「生食用」として扱われ、
河口に近いところで養殖されているのが「加熱調理用」になります。

これは、河口付近よりも沖の方が水質が良く、生食できるレベルに育つためです。

加熱調理用牡蠣

牡蠣は、海水を吸い込んで栄養分(プランクトン)を取り込み成長しているので、その水が汚れていると、牡蠣の身自体も汚れていってしまうという訳です。

しかし、実は河口付近の方が、山や他の河川から流れ出る栄養分が豊富で、かつプランクトンも多いので、牡蠣自体が大きく成長し、味も濃厚になって美味しくなります。

ただ、人間がそのまま生で食べる上では、衛生上良くない雑菌も多くいる牡蠣に育つため、河口付近で育った牡蠣は加熱調理用として販売されております。

生食用の牡蠣

沖の方は、そういった栄養分が少ない為、牡蠣の身は綺麗に育ちますので、生食用として流通します。ですが、大きく肥えることができません。

なので、皮肉なことに、生食用の牡蠣の方が値段が高いのに、美味しさと大きさでは加熱調理用の牡蠣に負けてしまうのです。

しかも生食用の牡蠣は、安全性を高めるために殺菌処理が行われます。その際に、出荷の2~3日前から絶食させるため、身がやせ細って水っぽくなることも多いのです。

 

以上のことから、生食用の牡蠣の方が鮮度が良くて美味しい、という訳ではないことがわかりました。

生食用の牡蠣が1級品で、加熱調理用の牡蠣が2級品という訳ではないのですね。

ただ、加熱調理用の方が美味しいからといって、絶対に生食してはいけません。

食中毒の原因となる菌やノロウイルスが多く潜伏している可能性が高いからです。

牡蠣の栄養・効果効能

食中毒にさえ気をつければ、牡蠣はとても栄養豊富で、女性に嬉しい効果がたくさんあります。

その豊富な栄養から「海のミルク」との別名がつけられるほどです。

主だった栄養素は、ビタミンB1、B2、必須アミノ酸、カルシウム、カリウム、鉄などのミネラル類です。

特筆すべきは鉄や亜鉛などのミネラル類です。これらは貧血の予防としても効果的です。

貧血には鉄分、これは世の中に広く認識されており、代表的な食材ですと、レバーやプルーンなどが有名ですが、牡蠣もなかなか良い食材です。

鉄自体はそんなに大量に含まれている訳ではありませんが、牡蠣は血を作る上で欠かせない他の栄養素をたくさん持っているのです。

そもそも、貧血は鉄だけで解決するわけではありません。バランスの良い食事をすることが大切です。

牡蠣に含まれる亜鉛は、ホルモンバランスを整える働きがあります。

ただ、一食食べてすぐに効果が現れるわけではありませんし、食べ過ぎたりするのも良くありません。何事もほどほどが肝心ですね。

牡蠣の雑学

牡蠣が1日に吸い込む海水の量は、300~400リットルにもなります。

自販機で売られている500mlのペットボトルなら、600~800本分にもなり、平均的なお風呂のバスタブが200リットルですから、お風呂2杯分ですね。

そして、この吸い込みで海水を綺麗にしてくれています、熱帯魚飼育する時に使う濾過フィルターと同じことをしてくれている訳ですね。

なので海を汚すと、その代償は結局のところ自分達に返ってくる訳です。それにこれは牡蠣に限った話でもありません。

ちなみに人間が吸いこむ空気の量は、1日約14,000リットルです。

著者紹介

月宮エナ

月宮エナ

書店員、飲食店経営を経てブロガーに転身 生活に役立つ知識や方法、雑学といったものを人に説明することが好きなブロガー

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