雨が降り始めた時の匂いの正体

雨が降り始めた時に、なんか独特な匂いを感じたことありませんか?


匂いの感じ方は、人それぞれなので表現が難しいのですが、

土っぽいような
ホコリっぽいような
いがらっぽい感じの匂いがしませんか?


実は、あの匂いには正式な名前がついており、「ペトリコール」といいます。

※ペトリコールとは、雨が降った際に地面から漂う匂いを指す言葉

匂いの正体は「油」

あの独特な匂いは、「雨の匂い」と表現されることもありますが、
雨が降っている間、ずっと匂ってくる訳じゃありません。

雨が降ってきた最初に匂うので、降り始めだけ感じる匂いです。
なので、正確には雨の匂いではありません。

では、あの匂いの正体はなんなのか。


匂いの正体は「油」です。
油といってもガソリンや灯油、家庭から排出されたサラダ油とかではなく、
ある特定の植物から出ている油です。



ペトリコールは、「長い間日照りが続いた後の最初の雨に伴う独特の香り」と論文で定義されており、梅雨などのずっと降りっぱなしの時期は、そんなに感じないはずです。


植物は、晴れの日が続くと種子の発芽を遅らせる作用がある特殊な油を放出します。これにより、植物に必要な水の競争相手を、増やさないようにしているのです。


この特殊な油が、時間と共に土壌や石などに付着していきます。
そこへ雨が降ると空気中へ匂いが放出され、あの独特な匂いとして香ってくるのです。

これが、しばらくの間、雨が降らなかった期間があり、
その後、最初に降る雨の降り初めの時にしか匂ってこない理由です。

 

油だけが原因ではない

ただ、匂いの原因はこれひとつだけということはなく、「ゲオスミン」と呼ばれる有機化合物の匂いも含まれています。

カビ臭の原因物質でもあるので、不快に感じる臭いがします。コイなどの淡水魚が持つ、生臭いような泥臭いような臭いの正体もゲオスミンです。

ゲオスミンも土中から雨によって大気中に拡散していきます。


さらに「オゾン」という成分も雨の匂いの一因です。

オゾンも独特の匂いを持ち、基本的には人間が不快に思う匂いをしています。
一般的には、生臭い刺激臭と表現されます。

 

以上のように、雨はいろいろなモノが混ざり合った匂いをしています。
しかし、植物もすごい機能を持っているんですね。

雨が少ないときは、種子が発芽しなくなるような成分を、
自ら生成して出すなんて。

生命の神秘ですね 

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