モンティホール問題をできるだけわかりやすく解説

世の中には、感覚的にこうだと思っても、実際は異なった答えを持つという性質の問題があります。

そんな中で、有名なものがこれから解説するモンティホール問題というものです。できるだけ噛み砕いて解説いたします。

 

モンティホール問題とは

ここにドアA,ドアB,ドアCと3つのドアがあります。1つが当たりのドアで開けると景品が貰えます。残り2つはハズレです。

あなたはAのドアを選んで開けようとしたところ、司会者が隣のBのドアをサービスで開けてくれて、Bのドアはハズレであることを教えてくれました。

この時、あなたはそのままAのドアを開けるべきか、それともCのドアに変更するべきか?

これがモンティホール問題です。問題自体はとてもシンプル。
最初に結論からいいますと、答えは「AからCに変更すべき」となります。なぜなら、Aが当たりの確率は1/3で、Cが当たりの確率は2/3だからです。
Aのドアが当たりの確率は、約33.3%
Cのドアが当たりの確率は、約66.6%

これが「直観で正しいと思う解答と、論理的に正しい解答が異なる問題」として言われる所以です。

多くの人の直観では、「Aのままでも、Cに変えても確率は1/2である」と思うはずです。実際に当初はこの答えに関して、かなり大きな騒動になったようです。

 

1990年に、史上もっともIQ(知能指数)の高い女性として有名なマリリン・ボス・サヴァントさんが、雑誌で

「正解は『ドアを変更する』である。なぜなら、ドアを変更した場合には景品を当てる確率が2倍になるから」

と回答し、それに対して、「マリリンは間違えている」という旨の投書が1万件以上殺到したようです。

 

大騒動に発展してしまった理由のひとつとしては、このゲームの明確なルールが分かってない人が多かったことにありました。

ハッキリと決まったルールがわからなかったので、解釈の違いが生じてしまったようです。

 

モンティホール問題の明確なルールとは、

1、3つのドアに、当たりが1つ、ハズレが2つランダムに入っている
2、参加者は、1つのドアを選ぶ
3、ゲームの進行役が、残った2つのドアの内、1つを必ず開ける
4、進行役が開けたドアは、ハズレである
5、進行役は、参加者にドアは選び直して良いと言う
以上の条件となっています。
ここら辺が曖昧だと、解答がブレてしまいます。

なぜ、1/2にならないのか

感覚的には、Aのドアであろうと、残りのCのドアであろうと、確率は1/2であり、どっちを選んでも同じような気がします。

しかし、モンティホール問題では、Cの確率の方が高くなります。一般的な説明では、以下のように解説されています。

最初、Aのドアが当たりの確率は1/3である。

同様に、Bが当たりの確率も、Cが当たりの確率も1/3ずつである。

言い換えると、A以外が当たりの確率は2/3である。

参加者がAを選んで開けようとしている時、Bがハズレであると示される。

その瞬間に、Bが持っていた1/3という当たりの確率は、そのまま残されたCに移動する。

どうでしょうか?正直納得いかないのではないでしょうか?
ということで、筆者が実際にパソコンでシミュレーションしてみました。

シミュレーションを行う条件としては、

最初にAのドアを選択後、Bのドアがハズレだと示され、その後にCのドアに変更する。

というものです。

 

これでマリリンさんが正しければ、当たる確率は、2/3、つまり約66.6%になるはずです。

シミュレーション結果

シミュレーションの試行回数は、10万回です。

結果、当たりの回数は、10万回中66698回
当たりだった割合は、66.698%となりました。

確かに、マリリンさんの言うとおり、当たる確率は2倍になっていました。

納得がいかない方への説明

先述した通り、直観と正解に乖離がみられる問題の性質上、このような事実を提示しても尚、納得のいかない方は少なくありません。

そのような方の為に、いくつか解りやすくした説明があります。

100万枚のドア

極端に数を増やして考えるという方法があります。例えば、3枚のドアでなく、100万枚のドアで考えてみます。

あなたは1枚目のドアを選んだところ、主催者が2枚目から99万9999枚目のドアを開けて、その全てがハズレであったことを示してくれました。

あなたが選んだ1枚目のドアと、残った100万枚目のドアは、どちらが当たりである確率が高いでしょうか?

というふうに考えてみると、3枚のドアよりは理解しやすい・・・?と言われています。

が、どうでしょうか?これでも正直納得できないという方は少なくありません。

100本のくじ

ここに100本のくじがあります。当たりは1本で、99本はハズレです。
ランダムに1本引くと、当たりを引く確率は1/100なので1%です。

 

このくじをA君とB君の2人が引くとします。

100本くじがあるので、平等に50本ずつ分けるたいところですが、わざとA君に1本、B君に99本という分に分配したとします。

こうすると、A君が当たる確率は1%B君は99%となります。

ここでB君が1本ずつ自分のくじを引いていき、最後の1本になるまで、ハズレくじを捨てていったとします。

するとA君B君共に、手に持っているくじは1本ずつです。

この時、A君の気持ちになってみてください。自分が当たる確率が、50%あるって思えますか?

「いや、絶対B君が当たりじゃん」って思っているはずです。

実際、この時A君の持ってる1本の当選確率は1%、B君の持っている1本の当選確率は99%です。

第三者から見ると50%

しかし、この問題が面白いのは、ここで急にC君が登場したとします。C君の目の前には、くじを1本ずつ持っているA君とB君がいます。

どちらが当たりのくじを持っているのか、C君が当てて見せようとすると、C君が当たりくじを持っている人を言い当てられる確率は50%となります。

これはB君がかつて99本のくじを持っていたことを知らない為です。

このように状況によって確率が異なるという点も、この問題が理解しにくい点かもしれません。

まとめ

問題文自体はとても簡単なので、心理テスト的にお友達や家族に問題として出してみるのも面白いのですが、何せこのような性質の問題ゆえ、あまり楽しんでもらえません(笑)

納得いかない人がほとんどなので、いくら解説をしても、スッキリしないモヤモヤ感の残る後味になります。

なので、心理テストのように話すのではなく、雑学として話すと幾分マシかと思います(笑)

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