動物の「キリン」と伝説の生物「麒麟」の違い

「キリン」といえば首の長い動物ですが、伝説上の生き物にも「麒麟」っていますよね。

同じ名前ですが、両者にはどんな違いがあるのでしょうか?

※本記事では動物の方を「キリン」
伝説上の方を「麒麟」と表記しております。

 

麒麟とは?

伝説上の生き物の麒麟は、中国の神話に登場する霊獣です。獣たちを生み出した、獣たちの長とされています。

外見は首の長いキリンとは大きく異なり、実在する動物でいうと鹿に似ております。

麒麟の姿形は、顔は龍、体は鹿、尻尾は牛、蹄は馬、という混合されたルックスで、角は1~3本、背中の毛は五色、という煌びやかな出で立ち。

日本でいうと鵺(ぬえ)という妖怪が、ギリシャ神話ではキマイラという怪物がこのような複数混合獣ですので、麒麟も似たような感じですね。

性格はとても穏やかで優しく、1000年生きるとされています。

麒麟の種類

麒麟にも種類があるようで、
青い色の聳孤(しょうこ)
赤い色の炎駒(えんく)
白い色の索冥(さくめい)
黒い色の甪端(ろくたん)または角端(かくたん)
そして黄色い色を麒麟というようです。

なので麒麟とは本来黄色のものだけを指すようです。他のは別種ということでしょうか?

それにしても5色とカラフルなので、まるでヒーロー戦隊もののようですね。

動物のキリンの名前の由来

中国の明の時代(1368年~1644年)に、分遣隊と呼ばれる隊が、アフリカからライオンやヒョウ、ダチョウ、サイ、シマウマなどを持ち帰りました。

その中に動物のキリンも含まれており、時の皇帝である永楽帝(えいらくてい・明の第三代皇帝)がキリンを気に入り、麒麟に姿が似ていたことから「キリン」と名づけ、そう呼ばれるようになったそうです。

このことが日本でもキリンと呼ばれる起源になっているようです。

馬もキリンと呼ぶ?

ことわざで「騏驎も老いては駑馬に劣る」(きりんも おいては どばに おとる)
というものがあります。

意味は、どんなに優れた才能を持つ人でも、年老いてしまうと、普通の平凡な人にすら及ばなくなってしまう、という意味です。

「老いては子に従え」と似たような意味合いをもちます。

この時のキリンの表記は、鹿偏ではなく、馬偏のキリンです。

「麒麟」・・・伝説上及び動物のキリン
「騏驎」・・・ことわざ。駿馬のこと。

騏驎とは、一日に千里も走るとされた優秀な馬、という意味です。
駑馬とは、脚の遅い馬、俗にいう駄馬というやつです。

両方パッと見、画数も多くて難しい漢字ですので、間違いやすいですね。

人も麒麟と呼ぶ?

優れた才能を持つ子供のことを、時折「麒麟児」(きりんじ)と呼ぶことがあります。

こちらも伝承なのですが、古代の中国において、聖人が現れ国を統治すると麒麟が現れる、との言い伝えがあり、

このことから幼い頃から天才的な才能、片鱗を伺わせるような子供、いわゆる神童のことを、麒麟児と呼ぶようになったようです。

伝説上の麒麟の格式高さを感じますね。

キリンの雑学

動物のキリンは、言わずと知れた最も背の高い動物。頭は地上から約5mもの高さにあり、高い木の葉っぱを食べるのに適しています。

また、その高さまで血液を送らなければならない為、血圧が高い動物としても有名です。

人間の平均血圧が、上が120、下が80のところ。
キリンは、上が260、下が160となっています。

ちなみにゾウもその巨体さゆえに、240ほどあります。

となると、恐竜の血圧ってどのくらいになるんでしょうね。

キリンは肉も食べる?

キリンと言えば先ほども申し上げました通り、高い木の葉などを食べるイメージがありますが、

その木に鳥が巣を作っているなどの理由で、鳥がいるとそのまま食べてしまうこともあります。

多摩動物公園のキリンは、鳩を食べてしまうことがあったのですが、高タンパクなエサに切り替えると、鳩を食べなくなったという事例があり、

このことから、自然界でも不足するタンパク質を補おうとして肉食行動をとる、ということが伺えますね。

キリンの角は5本

キリンにはパッと見、2本の角が生えていますが、皮膚に覆われた目立たない角も3本生えており、合計5本の角が生えています。

※耳の後ろに2本と額に1本。

 

角というくらいなので、とても硬いそうなのですが、何の役にも立っていないそうです(笑)

一説にはオス同士の戦いの為に生えているとのことなのですが、キリンのオスは背の高さで優劣が決まり、まだ血の気のある若いオス同士は、首をぶつけ合うネッキングというケンカ方法をして優劣を決めます。

なので、ケンカに使うということは無いようです。

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