- 2021年10月17日
解凍したお肉(冷凍肉)は再冷凍しても良いのか?お肉の解凍方法は解説!
牛肉、豚肉、鶏肉問わず、お買い物の時にある程度まとめて買ったら、小分けにして冷凍している方、多いと思います。
しかし、業務スーパー系に行くと、1kgとかの単位で冷凍肉が売られています。商品が大きすぎてそのままでは冷凍庫に入りません。
小分けにしたいのですが、なにせ巨大な冷凍肉の塊、普通の包丁では、なかなか切れません。
解凍すれば好きな大きさに切れますが、解凍肉を再冷凍するのは良くないと聞いたことがあります。
解凍したお肉は、本当に再冷凍しちゃいけないのでしょうか?
解凍したお肉の再冷凍
結論から言いますと、解凍肉の再冷凍は、解凍方法によって出来るか出来ないかが決まります。つまり、再冷凍は出来ることは出来ます。
冷凍肉の主な解凍方法は、以下の通りです。
2・常温で解凍
3・水につけて解凍(水浴)
4・流水にさらして解凍
5・お湯につけて急速解凍(温浴)
6・電子レンジで解凍
この中で再冷凍ができるのは、1番の冷蔵庫解凍のみです。ただ条件があり、冷蔵庫内の温度が5℃以下になっていることが前提です。
要は、雑菌が繁殖する温度が約5℃以上(5℃~60℃)の温度なので、お肉の温度を5℃以下に抑えることが大切です。
今回、記事を書くにあたり、実際に近所の業務スーパーで、鶏モモ肉2kg冷凍を買って、冷蔵庫でゆっくり解凍してみました。
半解凍状態になるまで約30時間ほどかかりました。※鶏もも肉は8枚ほど入っていました。
冷蔵庫で30時間解凍で、お肉単体は半解凍状態。互いにくっついているお肉同士は、シャリシャリ言いながらも剥がれる状態でした。
なので、2~3kgのお肉なら全解凍まで48時間~、という感じになると思います。※冷蔵庫の温度設定による
ただ、冷蔵庫で時間を置きすぎてしまった場合や、そうでなくても変色があったり、臭いに違和感を感じた場合は、勿体なくても廃棄するべきです。
できれば半解凍くらいで小分けにできれば理想かと思います。
冷凍肉の再冷凍は、5℃以下の冷蔵庫に入れてゆっくり解凍した場合のみ可能。
ただし解凍出来たらなるべく迅速に冷凍庫へ。また再冷凍すると水分が抜ける為、味はどうしても落ちる。
変色や臭いに異変を感じたら廃棄する。冷蔵庫内で放置しすぎず、出来る限り迅速に再冷凍する。
お肉に適した解凍方法
冷蔵庫でゆっくり解凍
再冷凍するならば、この方法1択です。また、解凍による品質の劣化が一番少ない方法でもあります。つまり、1番美味しく頂ける方法です。
この解凍方法は、お肉だけに限らず、冷凍フルーツ、野菜、冷凍食品全般などにも用いることができる、万能な方法でもあります。
細菌の繁殖のリスクも1番低いとされます。
※冷蔵庫の温度が5度以下の条件に限る。
デメリットとしては、解凍に時間がかかる、ということです。サイズにもよりますが、最低でも6~8時間前後はかかり、ものによっては24時間以上かかってしまうことも。
水に漬けて解凍(水浴)
冷蔵庫解凍よりも早く解凍したい場合、かつ品質の劣化はなるべく防ぎたい時の方法です。
ボウルに水を入れて、その中にビニール袋に入れたお肉を入れます。水が中に入ってはいけないので、二重に重ねるのが安全です。
また、30分程度してくると、水温が室温で上がる限界値まで上昇してくるので、水を入れ替えるのですが、手間なので氷を浮かべるのがオススメです。つまり、氷水解凍です。
キンキンな氷水でも、水は空気よりも伝導率が高い関係で比較的早く解凍できます。大きさによりますが1時間長くても3時間程度で解凍されます。
お肉の表面温度を低く保てるので、劣化も少ない解凍方法です。解凍後は再冷凍できず、必ず調理をする必要があります。
流水にさらして解凍
水につけて解凍(水浴)するものと似ていますが、水浴よりも早く解凍できる反面、水を大量に使うことと、肉の表面温度が意外に上がってしまうため、劣化しやすい解凍方法になります。
流水で解凍するくらいなら、水浴の方が経済的な面でもオススメです。
お湯につけて解凍(温浴)
もちろん水浴よりも早く解凍できる方法ですが、大きな塊などには使えず、比較的少量、または薄切り肉のみ使える方法です。
キロ単位の塊だと、表面だけ解凍されても、芯の部分はまだガッチガチに凍ったまま、ということになります。
この状態は、多くの肉汁を出させてしまうことになり、大きく味、品質を劣化させてしまう結果に繋がります。
使うお湯の温度は60℃程度。時間は10分程度が目安ですが、大きさ、形状によります。
逆にいえば、10分程度で解凍できないサイズのお肉には、向かない方法だといえます。
電子レンジで解凍
今すぐ調理をしたい、という際に使う方法です。電子レンジには、解凍モードという機能が備わっているものがあります。
我が家もついており、急ぎの時はもっぱらこの解凍モードを使って解凍しています。ただ、精度の面ではあまり優秀とは言えません。
普通に解凍してもムラが大きく、解凍できているところ、半解凍状態の所、完全に凍ったままの所とできてしまいやすいです。
かといって威力を上げると、解凍を通り越して、一部火が通ってしまう箇所(ホットスポット)ができてしまうことも。
※電子レンジは、食材の大きさ、形状などにより、過熱にムラが生じてしまいます。
電子レンジはマイクロ波を放射して食材を温めるのですが、そのマイクロ波が放射される場所、というのは決まっているため、(ターンテーブルがあるタイプなら向かって右側から放射)どうしても過熱ムラが生じてしまいます。(一部業務用製品を除く)
なので、あまりお勧めはできない解凍方法ではあります。便利ですけどね、何と言ってもここまでに挙げた方法の中では最速で解凍されるので。
また温まった個所は、細菌の繁殖にとても適した状況です。なので、すぐに調理を始めるとき専用の解凍方法といえます。
常温で解凍
意外かも知れませんが、この方法が最もオススメできない解凍方法です。
1番理由は、細菌の繁殖による食中毒のリスク増大です。常温での長時間放置は、上記の解凍方法の中で最もリスキーなものです。
細菌は、100℃以上の熱にも耐えて増殖するものがいますので、「火を通せば大丈夫でしょ?」が通じません。
もちろん死滅する細菌もいますが。
また、急激な温度上昇により、単純に味や品質が著しく劣化します。常温放置するくらいなら、ボウルに水を張って水浴解凍しましょう。
あとがき
いかがでしたでしょうか?お肉の解凍ひとつとっても、いろいろな方法があるのですね。
理想は冷凍せずにすぐに使ってしまうことなのですが、そうも言ってられない場合もあります。
翌日の晩御飯を考え、お肉を使う予定が立ったら、前もって冷蔵庫へ移し替える癖をつけると良いかもですね。
まあ、そんな予定通りにもいかないことも多いんですけどね(;・∀・)
ただやはり、一般的には再冷凍というのは、基本的には避けた方が無難です。どうしても鮮度は失われ、味も落ちます。
また、一度温度を上げる以上どうしても食中毒のリスクも上がると考えられますので、行う際は必ず自己責任でお願い致します。
※本記事で紹介した解凍方法は、そのいずれに於いても、食中毒を回避出来ることを保証するものではありません。
著者紹介
月宮エナ
書店員、飲食店経営を経てブロガーに転身 生活に役立つ知識や方法、雑学といったものを人に説明することが好きなブロガー