- 2021年3月31日
【ビジネス】封書やメールでの敬称「様・御中・行・殿・各位・宛」の使い分け
葉書やメールにて、相手の名前の後に「様」や「御中」をつけたり、二重線で消したりと、日本は礼儀作法に良くも悪くも細かい一面があります。これらはどのように使い分ける必要があるのでしょうか?
社会人になると、何かとお取引先にメールや封書等を出すことも多く、その際に間違えないように覚えてしまいましょう。
「様」の使い方・使う相手
使える相手ー目上、目下共にOK
使えない相手ー宛名が企業や団体
「様」は最も多く使われる敬称です。宛名が個人名の場合は、基本的にどなたにでも使うことができます。使えないケースは宛名が企業名や団体名、組織名の場合です。宛名が団体等の場合は、後述する「御中」で送ります。
宛名に役職が付く人の場合
NG 〇山△太郎 企画部長 様
個人名が判らない場合は、「○○株式会社 企画部 ご担当者様」というように書くことが一般的です。宛名に個人名が2人以上いる場合は、両方に「様」をつけます。
「殿」の使い方・使う相手
使える相手ー目下の人、性別関係なし
使えない相手ー目上の個人、団体や企業
近年はあまり使われなくなってきている敬称です。一般的には目上の人が目下の相手に使う言葉になります。企業や組織といった団体名に対しては使われません。
例えば、表彰式を思い出していただけると分かりやすいのですが、立場が上の人が「表彰状 〇〇殿」と言い始めますよね。(部活で優勝した際、校長先生から表彰される)
目下に人にメール等を出す際に、必ず使わなければいけないというものではありませんので、特別な理由がない限りは、オールマイティな「様」を使っていれば、問題ありません。
「先生」の使い方・使う相手
使えない相手ー団体宛
NG 〇〇先生 様
「御中」の使い方・使う相手
使えない相手ー宛名が個人名の場合
OK 株式会社△△△ 企画部 御中
OK 株式会社△△△ 〇山△太郎 様
NG 株式会社△△△ 〇山△太郎 御中
NG 株式会社△△△ 御中 〇山△太郎 様
「各位」の使い方・使う相手
使える相手ー目上の人、目下の人にも使える(社内・社外問わず)
使えない相手ー個人宛
ちなみにこれまでに説明してきたような「様」や「御中」といった宛名ではありません。基本的には、封書の宛名に使用するものではなく、文章の中や冒頭に使われるものです。
NG 関係者様 各位 関係者各位 様
「行」「宛」の使い方
「行」と「宛」の2つは(「係」の場合もある)自分が出した封書に対して、相手から返事が欲しい際に同封する「返信用封筒」に記載する自分宛ての敬称です。「行」は団体宛、「宛」は個人宛になります。
返信用封筒は、このまま出しても相手方にはもちろん届きますが、ビジネスマナーとしては「行」「宛」を二重線で消して、「行」なら「御中」、「宛」なら「様」書き換えて送るのが一般的です。
何故初めから「様」や「御中」と書いておかないのか、という疑問が浮かびますが「自分で自分に「様」と書くのはマナー違反」という理由からです。
二重線での消し方ですが、一般的に縦書きなら縦線で、横書きなら横線で消します。ですが、明確なルールは無い様で、縦線や横線で見えにくくなってしまう場合は、斜め線でも可能です。
たまに、先方の担当者の印鑑が押されていることがありますが、これはそのままにしておきます。間違っても二重線で消したりしてはいけません。
著者紹介
月宮エナ
書店員、飲食店経営を経てブロガーに転身 生活に役立つ知識や方法、雑学といったものを人に説明することが好きなブロガー