スイスドローとは?やり方を解説(スイス式トーナメント)

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・スイスドロー(スイス式トーナメント)とは?
・スイスドローを用いた試合(ゲーム)の簡単な進行方法
・総当たり戦、トーナメント戦との違い、比較

スイスドロー方式(スイス式トーナメント)とは、「トーナメント方式」や「総当たり戦(リーグ戦)」などのように、試合を進行する形式のひとつです。

 

トーナメント式は「勝ち抜け戦」なので、1度敗退するとそれ以降の試合に出場することが、基本的にはできません。

総当たり戦(リーグ戦)は、出場者が他の出場者全員と試合をします。
その為、出場者が多いと順位をつけるのにかなりの数のゲーム(試合)をこなす必要があり、単純に時間がかかるという問題があります。

しかしスイスドローでは、負けた人も第2試合以降も試合をすることができるというメリットがあるため、1度負けてしまった選手が暇になることがありません。

なので、子供が参加する大会などで取り入れると、結構好評を得やすいです。

※本記事は、筆者がショップ店勤務をしていた時代に、経営者の方針でカードゲーム大会を取り行うこととなり、小規模ながら実際に大会運営を行っていた実体験を元に執筆しています。街角ゲーム大会的な規模の運営者向き記事となっています。

 

スイスドロー方式とは?

スイスドロー方式と言っても、実はスイスドローの中にさらに「オランダ式」「デンマーク式」などに細分化されています。

さらに細かいルールは各大会や種目、競技などにより異なりますが、本記事では基本的であり、シンプルな方法を解説していきます。

基本的なやり方は以下の通りです。

ざっくりとした進め方の説明

1回戦目は、くじ引きやじゃんけん等でランダムに(もしくは任意の方法)決めた相手と戦い勝敗を決めます。

そして勝者サイドに得点(任意のポイント)を付与します。

例、勝者に3点、敗者に0点
 
第2試合は、得点が同じ者同士、または近い者同士で試合を組みます。
ここでも、先ほどの第1試合同様に、勝者に得点を追加し、敗者には得点は入りません。

以降、第3試合、第4試合と同様の方法で試合を進めていきます。最終的に最も点数の高かった者が優勝となります。
・1回戦目の対戦相手は好きな方法で決める(ジャンケン、くじ引き等)

・勝った方に任意のポイントをつける

・2回戦目はポイントの近い者同士で行う
 

具体的な進行手順

では実際に6人の参加者がいるゲームを例に挙げ、進行解説をしていきます。

第1回戦

A君 対 B君
C君 対 D君
E君 対 F君

 

が行われたとします。勝敗は以下のようになりました。

A君 3点 勝ち
B君 0点 負け
C君 0点 負け
D君 3点 勝ち
E君 3点 勝ち
F君 0点 負け
 
A君 3点
B君 0点
C君 0点
D君 3点
E君 3点
F君 0点

第2回戦

2回戦目は3点の人同士、0点の人同士の勝負になります。

A君 3点 対 D君 3点
E君 3点 対 B君 0点 ←同じ点数でないところもある
C君 0点 対 F君 0点


結果

A君 勝ち +3点
D君 負け 加点も減点も無し
E君 勝ち +3点
B君 負け 加点減点無し
C君 勝ち +3点
F君 負け 加点減点無し
 

この様な結果だったとすると、
この試合が終わると得点はこのようになります。

A君 6点
B君 0点
C君 3点
D君 3点
E君 6点
F君 0点

第3回戦

この時点で、点数がハッキリと二組ずつに分かれているので、自然と次の対戦の組み合わせは以下のようになります。
A君 6点 対 E君 6点
C君 3点 対 D君 3点
B君 0点 対 F君 0点 

 

結果

A君 勝ち +3点 
E君 負け 加点減点無し
C君 勝ち +3点
D君 負け 加点減点無し
B君 勝ち +3点
F君 負け 加点減点無し

最終結果

優勝 A君 9点
同率2位 C君とE君 6点
同率4位 B君とD君 3点
6位 F君 0点

という具合です。

この場合、同点がいるので、2位と3位を決めなければならない場合は、2位3位決定戦を、「C君 対 E君」でやります。

 

スイスドローのメリットの1つは、総当たり戦のように、全員大会に最後まで参加できるのに、戦う回数は意外と少ないという点です。

今回は6人で3回戦やりましたが、参加人数が255人と多くても8回戦ほどで終わります。

参加人数とおよそ何回戦行うのかの一例

5 人~8人      3回戦
9人~16人    4回戦
17人~32人  5回戦

最初に言ったように、スイスドローも色々な方式がありますが、大雑把に説明するとこんな感じです。

もし、何らかの試合を執り行う機会のある方は、こういう方式もあるんだということを知っていると、もしものときに役に立つやもしれません

勝ち抜きトーナメント、総当たり戦との違い

勝ち抜きトーナメント戦

トーナメント戦と聞くと、ほとんどの方がこの図のようなモノをイメージされるかと思います。

「トーナメント」という言葉自体は、競技大会という意味が近く、必ずしも「勝ち抜き戦」という意味はないのですが、日本で「トーナメント戦」というと、ほぼ上図のような勝ち抜き戦を意味しています。

勝ち抜きトーナメント戦では、実力上位者をあらかじめ見極めておき、その実力者達をなるべく別の山に割り当てなければなりません。

 

例えば、本来なら1位と2位になる実力のある選手が、1回戦目で当たってしまうと、実質的な決勝戦がその試合になってしまい、後の試合は面白味が欠けてしまいます。

そういった点を考慮すると、1回戦目の組み合わせを決めることは、意外に難しいです。

・試合数が少なくてすむ、時間がかからない

・2ヶ所以上の離れた会場同士でも、同時に並行して進行できる

・負ければ敗退なので、一戦一戦が非常に緊張感があり面白味がある。
・1回でも負けると以降は試合に参加できない

・1位と2位、以外の人の順位を決めにくい

・競技によりけりですが、1回だけの試合では、勝ち負けのギャンブル性が高く、準優勝の人(チーム)が2位の実力とはならないこともある

※格闘ゲームなどは7ラウンド~10ラウンド程度闘って勝敗を決める場合もある為、例えば、たった1ラウンドで勝敗を決めるとその勝ち負けは、本当の実力差によるものなのかが判りにくい。

総当たり戦(リーグ戦)

総当たり戦は、その日の参加者が、全参加者と対戦し勝敗を決める形式です。細かいルールは大会や競技ごとによって異なります。

勝ち抜けトーナメント戦と違い、1回戦目で負けても以降もずっと試合に参加できます。

・勝敗に関係なく、ずっと試合に参加できる

・勝ち抜けトーナメント式に比べて、参加者の順位が明確に判定される
・参加者が多いと、順位が決まるまで時間がかかる

・ちびっ子達の大会の場合、全敗する子(チーム)もいるので、メンタル的に辛いかも

スイスドロー

スイスドローは、勝ち抜けトーナメント戦と総当たり戦の良いところを組み合わせて考えられた形式です。

・1回負けても、その後の試合に参加できる

・1回負けても、上位にいける可能性がある

・順位が決まるまでに必要な試合数は意外に少なく、かかる時間もトーナメント戦よりも若干かかる程度

・戦う相手同士の実力が同じレベル同士になりやすい
・1回戦終わる度に、勝敗に応じたポイント付与と次回戦の対戦相手の決定作業が発生する

・次の対戦相手が誰になるかの予測が立ちにくい為、対策が取りにくい

・ルールがトーナメント式や総当たり戦のようなシンプルでなく、やや複雑
 

ルールがやや複雑とはいえ上で記したように、

「単純に勝った人にポイントをつけて、2回戦以降は同じ点数の人同士が戦う」

という風に行えば、小学生でも運営できるレベルですので、難しいことはありません。

 

筆者が経験したカードゲーム大会は、最初はトーナメント式で運営していたのですが、やはり最初に負けてしまった子供たちが、以降暇を持て余していてつまらなそうにしていました。

なので、途中からスイスドローにしたところ、1回戦目で負けてしまった子供達が、その後も暇することなく、最後まで試合ができ楽しめていたので、結果として採用して正解でした。

 

著者紹介

月宮エナ

月宮エナ

書店員、飲食店経営を経てブロガーに転身 生活に役立つ知識や方法、雑学といったものを人に説明することが好きなブロガー

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