マンボウはプランクトン

ネット上に「マンボウはプランクトン」という雑学が載っているのを目にしたことはあるでしょうか?

一見するとインパクトのある雑学ですが、本当なのでしょうか?

 

プランクトン

プランクトンという単語を聞いて思い浮かべるのは、水の中に生きている小さい生物、ということくらいですよね。

間違いではないのですが、プランクトンという言葉は、水の中に住む生物の生活スタイルをカテゴリーする単語で、

プランクトン=浮遊生物

という生活スタイルの生き物を指します。

 

浮遊生物とは、水中を漂うように生活するスタイルのことで、遊泳能力を持たない、もしくは水流に逆らう力が弱い生物のことを言います。

大きさは関係ないので、大型のクラゲもプランクトンに分類されます。

遊泳能力が高く、水流に逆らって泳げる生物はネクトン(遊泳生物)※ほとんどの種の魚など水の底で暮らしている生物をベントス(底生生物)
※珊瑚や海藻、水草など水面で生活している生物をニューストンといいます。
※アメンボ、カツオノエボシ

マンボウは泳げないのか?

結論から言うと、マンボウは海流に逆らって泳ぐ遊泳能力を持ちます。

よって、マンボウ=プランクトンという説は間違いです。

海面付近を漂う姿が目撃されていることから、このような説がでたと思われます。

研究が進むにつれて、マンボウが水深800mの深海まで潜ったり、海面からジャンプすることが分かってきました。

さらに胃の中からイカやエビなどがみつかり、浮遊しているだけでは捕食できない生物も見つかっていることからも、ある程度の遊泳力があることが分かります。

 

 

海面に漂うようにしている理由は、小魚や海鳥などに寄生虫を取って貰うため、
寄生虫を日光消毒しているため、深海に行って冷えた身体を温めるため、と言われています。

ただ、マンボウの遊泳力が低いことは確かであり、特に稚魚に至っては遊泳力が弱く、この時期に関してはプランクトンと言えます。

※マンボウに限らず、多くの魚の幼生時代はプランクトン

マンボウは、最も多くの卵を産む生き物としても有名で、一度に産む卵の数は、3億個にもなると言われています。

しかし、その中で成魚まで成長できるのは1~2匹とされ、成魚まで成長できること自体が奇跡なんですね。

魚類の中には、ある程度の大きさまで親が子育てをする種もいますが、マンボウは子育てをしないので、なおさら外敵に捕食されてしまいやすいんですね。

なので、数で勝負するという進化を遂げたのでしょう。

マンボウを取り巻く誤解

マンボウには、魚類最弱伝説が付いて回ります。

・太陽光を浴び過ぎて死ぬ
・寄生虫を薙ぎ払う為、ジャンプして海面に衝突してその衝撃で死ぬ
・深く潜って水温が低くなって凍死する
・泡が目に触ってストレスで死ぬ
・まっすぐにしか泳げず、岩などの障害物に当たって死ぬ

などなど

これらは、これまで書いてきたことにより、ほぼ嘘と言うのがお分かりになるかと思います。

どうやら、ネットのどこかで上がったネタが、一人歩きして広まったようです。

ちなみにウシマンボウという種は、非常に大型で、全長3.5m以上になり、体重は1tを超えることもあります。

<豆知識>
マンボウは漢字で書くと「翻車魚」

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